2009年11月19日

公演中止のお知らせとお詫び[イェフィム・ブロンフマン]

皆様には、日ごろより弊社の主催いたします公演にご来場いただき、誠にありがとうございます。
本日は皆様に、緊急のご案内をさせていただきます。
ピアニストのイェフィム・ブロンフマンは、新型インフルエンザ感染により来日ができなくなりました。
そのため以下の公演を中止させていただきます。
チケットをお求めの皆様には、深くお詫び申し上げますとともに、何卒ご了承をいただきますよう、謹んでお願い申し上げます。
払い戻し等、今後のお手続きにつきましては、各主催者までお問い合わせいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。
2009年11月19日
株式会社ジャパン・アーツ

11月20日(金) 東京・トッパンホール
<主催> トッパンホール
<お問合せ> トッパンホールチケットセンター (03)5840-2222  www.toppanhall.com/

11月22日(日) 大阪・いずみホール
<主催> いずみホール
<お問合せ> いずみホールチケットセンター (06)6944-1188  www.izumihall.co.jp/

11月24日(火) 福岡・福岡シンフォニーホール [11月23日(月) のマスタークラスも中止です]
<主催> 財団法人アクロス福岡,ほか
<お問合せ> アクロス福岡チケットセンター (092)725-9112  www.acros.or.jp/

11月26日(木) 東京・東京文化会館
<主催> 財団法人 都民劇場
<お問合せ> 都民劇場 (03)3572-4311  www.tomin-gekijo.or.jp/
11月28日(土) 東京・サントリーホール
<主催> ジャパン・アーツ
<お問合せ> ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5237-7711  www.japanarts.co.jp/

11月29日(日) 東京・武蔵野市民文化会館 小ホール
<主催> 財団法人 武蔵野文化事業団
<お問合せ> 武蔵野文化事業団 (0422)54-8822  www.musashino-culture.or.jp/


≪ジャパン・アーツ主催公演(11月28日(土))チケットの払い戻し方法≫
払い戻し受付期間: 11月20日(金)〜12月28日(月)

●店舗にてご購入のお客様は
お買い上げ頂いたぴあのお店、もしくはコンビニエンスストアで対応いたします。
(※チケット券面左下にお買い求め頂いた店舗名が記載されています)
※払い戻しは、チケットぴあ営業時間内となりますのでご注意下さい。
(チケットぴあ店舗は店舗により営業時間が異なります。)
(サークルK・サンクスのチケットぴあ営業時間は7:00〜23:30まで、ファミリーマートのチケットぴあ営業時間は10:00〜23:30までとなります。) なお、チケットぴあ店舗、コンビニエンスストアにてご購入頂いたお客様で、お 買い上げ頂いた店舗へご来店頂けない場合は、下記メールセンターへ払い戻し受付期間内にご郵送頂ければ対応させて頂いております。
詳しくは下記「配送引取にてご購入のお客様は」をご確認ください。

●配送引取にてご購入のお客様は
チケットを払い戻し受付期間内必着で下記住所(メールセンター)まで、「簡易書留」「宅配便」「特定記録郵便」でご返送ください。
弊社からは「郵便振替払出証書」にてご返金いたします。
なお、郵便振替払出証書の発送は払戻対応期間終了後、3〜4週間お時間を頂いておりますので、ご了承ください。
(※チケット券面左下に「ジャパン・アーツ」「チケットぴあ ○○予約センター」 「@電子チケットぴあ」と記載されています。 ぴあ提携サービスをご利用の方は、ご利用のサイト名が記載されています。)

〒102-0075 東京都千代田区三番町 5-19
 ぴあ株式会社 チケットぴあメールセンター「イェフェム・ブロンフマン」宛

【返送時の注意事項】
チケット返送時に必ず下記の内容を記載したメモを同封いただきますようお願い
します。
1. ご返金先の住所
2. お名前
3. 連絡可能な電話番号(メモの内容と同封内容に相違がある場合、お電話にてご確認させていただくことがあります。)
4. 返送チケットの単価
5. 返送チケットの枚数
※郵便振替払出証書は、郵便貯金事務センターより緑色の封筒にて届きます。
ご本人様と確認できる証明書(運転免許証、または健康保険証等)をご持参のうえ、郵便局にて換金してください。
なお、一部の店舗では、@電子チケットぴあ及び、予約センターで配送扱いにてチケットをご購入されたお客様の払い戻し受付を代行しております。 受付店舗はチケットぴあ店舗一覧に払戻(配送引取チケット)」のマークがついて いる店舗です。
払い戻し受付期間内にチケットをお持ちの上、ご来店ください。
※店舗混雑時(一般発売日等)は払戻受付をお断りする場合もあります。ご了承ください。

●インターネットにてチケットをご購入の方
<チケットを引き取ってお手元にお持ちの方>
お引き取りされたお店で払い戻しいたします。
(チケット券面左下にお買い求め頂いた店舗名が記載されています)
※払い戻しは、チケットぴあ営業時間内となりますのでご注意下さい。
(チケットぴあ店舗は店舗により営業時間が異なります。)
(サークルK・サンクスのチケットぴあ営業時間は7:00〜23:30まで、ファミリーマートのチケットぴあ営業時間は10:00〜23:30までとなります。)
ご来店の都合がつかない場合は、チケットぴあメールセンターへ払い戻し受付期間内にご郵送頂ければ対応いたします。
<チケットを引き取っていない方>
Myページの購入履歴から、払い戻し受付期間内に払い戻し申込のお手続きをしてください。
※払い戻しが決定した公演については、購入履歴に「払戻受付可能」の表示がされます。

弊社からは「郵便振替払出証書」にてご返金いたします。
なお、郵便振替払出証書の発送は払い戻し受付期間終了後、3〜4週間お時間を頂いておりま
すので、ご了承ください。
※Yahoo!チケットで購入し、まだ引き取っていない方は、「購入履歴」から手順に従って、払い戻しのお手続きをしてください。

【問合せ先】
ジャパンアーツぴあ : 03−5237−7711
※主催者より定められた払い戻し受付期間を過ぎたチケットの払い戻しは出来ませんのでご注
 意ください。
※払戻金額はチケット券面価格のみとなります。 システム利用料、特別販売利用料、配送利用料、店頭引取利用料等は払い戻しの対象とはな りませんので、ご注意ください。

posted by Japan Arts at 16:49| イェフィム・ブロンフマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月12日

ブロンフマン来日直前特集[2]

≪ブロンフマンへの電話インタビュー≫
2009年9月20日 ニューヨーク。 インタビュアー:城所孝吉 

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Q:先日のルツェルンのコンサートを聴かせていただきました。どれもたいへん素晴らしい演奏だったと思いますが、私が一番感動したのは、シューマンの「幻想曲」でした。ブロンフマンさんというと、超人的なテクニシャンという一般的な印象があり、この日は「イスラメイ」などの難曲も弾かれましたが、シューマンではたいへん親密で緻密な演奏されていることに感銘を受けました。ブロンフマンさんの真実のキャラクターは、実はこうした叙情的な部分にあるのではないかとさえ思いましたが、ご自分ではどのように思われますか。
―――ありがとうございます。一般的な印象がどういうものか私にはわかりませんが、超人的なテクニックというのは、私にとっては二次的な意味しか持ちません。大事なのはそれぞれの作品の持つスタイルであり、私はそのスタイルにふさわしいテクニックを用いるだけのことなのです。常に音楽が何よりも優先されるべきなのです。確かにラフマニノフやプロコフィエフの作品の中には超絶的な技巧が求められるものもあります。でもそれはあくまでその作品の性格上必要とされるものであり、その作品を表現するために用いられるものです。でも古典派、たとえばブラームスといったレパートリーを弾くとなるとアプローチはまったく違ってきます。ですから、私にとっては私がどうであるかというよりも、そのとき私が何を演奏するのか、が大切であり、音楽(MUSIC)がその演奏のキャラクターを決めるのだと思います。

Q:日本でもシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化」を弾かれますが、シューマンの音楽の本質的な特徴というのは、どのような側面にあると思われますか。
シューマンを弾く上で、特に重要だと思われることは何でしょう(例えば彼自身は、フロレスタンとオイゼビウスというふたつの人物に、自分の音楽的特徴を見ていますが……)。
―――シューマンは本当にさまざまな異なる作品を書いた作曲家です。「ウィーンの謝肉祭の道化」もまた、「幻想曲」とはまったく異なるものです。
第一に、シューマンはかなりエキセントリックな人間だったと思います。ですから、まずそのエキセントリックな性格が表出しなくてはなりません。彼の音楽には奇異ともいえる幻想的な要素があり、それまでに誰も書かなかったような音楽がそこにはあります。しかし同時にそれらはとても古典的(クラシカル)でもあります。このような特質は「ウィーン…」においては顕著に見られ、ある意味でベートーヴェンに近いと言うこともできるでしょう。ここのところが「幻想曲」とは決定的に違うのです。ですからこの二つの作品にはまったく違う二つの世界を見ることができます。シューマンはとても実験的でもあったのです。ただこの作品の性格を考えるとき、これは確かに幻想曲に類別されるでしょう。「幻想小曲集」もそうです。
私はシューマンの音楽の持つ多面性が好きです。理解できたと思ったら、また違う一面が現れる。常に新たな発見がもたらされ、それに終わりがありません。そんなことの繰り返しが彼の音楽です。変幻自在な音色と限りない想像力、さらには先を見通す眼力といったところに魅力を感じますね。また彼はピアノに新たなテクニックをももたらしました。
ただし、彼の奥深く、内省にまで入っていくにはそれなりの時間がかかります。

Q:でもそれさえも楽しんでいらっしゃるようにお見受けしますが。
―――とにかく大好きですからね。シューベルトとシューマンは私が愛してやまない作曲家ですから。彼らの音楽は本当に深遠で、複雑です。

Q:ルツェルンでは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ作品27の1も演奏されました。これもたいへん緻密で、クリアーな演奏だったと思います。日本では、変奏曲作品32を演奏されますが、ブロンフマンさんがベートーヴェンの有名曲ではなく、こうした比較的地味で初期の作品を取り上げていることが興味深く思われました。ベートーヴェン、そして彼の初期作品は、ブロンフマンさんのなかで特別な位置を占めているのでしょうか。
―――まずベートーヴェンの作品はどの時期のものもすばらしいです。私は後期のピアノ曲や四重奏も好きですし、若き日のベートーヴェンの書いた作品も好きです。
ただ、それらは別世界と言っても良いほど違うのも事実です。初期の作品はハイドンやモーツァルトの影響が色濃く出ています。しかし同時に彼自身の個性も見て取ることができます。さらには自ら演奏することを考えていたため、ヴィルトーゾな要素も多々見られます。私は自身がピアノを弾くような、ピアニスト−作曲家に強く惹かれます。例えばプロコフィエフのソナタ、それも初期のソナタは彼自身が弾くことを念頭において書かれていますね。このように自分自身で弾くことを考えて書かれた曲はちょっと違うのです。別にベートーヴェンとプロコフィエフが似ているというわけではありません。
質問に戻りましょう。確かにベートーヴェンの初期の作品は好きですね。彼のピアノ・ソナタの中でも秀逸なものがあります。特に緩楽章の中にすばらしいものがあります。例えば作品10−3とか「悲愴」とか、これらの緩楽章は本当にすばらしいです。彼でなければ書けなかった音楽です。
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Q:ブロンフマンさんは、プロコフィエフのソナタやピアノ協奏曲の演奏者として、広く賞賛されています。ルツェルンでもソナタ第2番を弾かれましたが、東京でも同じ曲が予定されています。しかし私は、実は正直を申しますと、プロコフィエフの作品というのが、あまりよく分からないのです。彼の音楽は、どこまでが本音で、どこまでがジョークやアイロニーなのか分からない感じがして、もうひとつ作品に入り込めません。ブロンフマンさんは、プロコフィエフの本質、真のキャラクターがどのあたりにあるとお考えですか。あるいは、彼の音楽を理解するコツとは何でしょう。
―――実は今回のプログラムでは、敢えてそれぞれの作曲家の若き日の作品に目を向けてみました。ヨーロッパではこれにブラームスが二十歳のときに書いたピアノ・ソナタを入れることもありました。つまり作曲家が若かりし日に自分で演奏することを意図して作曲した作品に焦点を合わせたのです。プロコフィエフのピアノ・ソナタ第2番は、先ほどお話した理由と同じで、プロコフィエフが自分で演奏することを考えて初期に書いたものです。
それに若くても既に音楽的には成熟したものがあり、十分に深みのある作品です。例えばソナタ第2番の第2楽章など大変に成熟しているだけでなく、洗練された作品です。さらにはソナタという形式は、当時は軽く、ユーモアをも漂わせるものでしたから、若さは何の障害にもなっていないでしょう。そして最終楽章は、悲劇、深みというよりもむしろユーモラスなものになっています。
彼の音楽の本質が見えにくいのは、多くのロシアの作曲家に言えることですが、その二面性にあると言えましょう。ひとつの音楽が二つのことを示唆、あるいは意味しています。なんといっても、これらの作品がソヴィエト連邦時代に作曲されたことを忘れてはなりません。彼はメッセージを込め、それらを伝えたかったのですが、それらが如実に現れてはならなかったのです。そこには常に隠されたメッセージがありました。そう、シューマンも同じです。シューマンの場合はクララとの関係を反対する父親に気がつかれないようにメッセージを隠してクララに音楽を捧げました。幻想曲の中には、クララへのシグナルが多く隠されています。ですからその音楽は二重構造を持っていたのです。そしてプロコフィエフとショスタコーヴィッチの作品もまた常に裏表の二面性を持って作曲されました。当局からわからないように彼らはメッセージを隠したのです。そしてそれがあなたの言う分かりにくさへとつながっているのでしょうね。
でも今回演奏する作品はとても古典的な作品で、わかりやすいと思います。とても素直な作品だし。

Q:今回の日本のプログラムの頂点は、チャイコフスキーの「グランド・ソナタ」になることと思われます。この曲は本当に大曲で、テクニック的にも演奏時間の上でも「グランド」という表現が相応しいと思いますが、決してポピュラーな作品とは言えません。チケットを売るという意味でも、必ずしも易しくない曲だと思いますが、ブロンフマンさんはそれを敢えて取り上げられるわけで、特に思い
入れ(取り上げる理由)があるのだとお察しします。どうしてこの作品を演奏しようと思われたのでしょう。
―――確かにこの曲はあまり演奏する機会に恵まれない、過小評価されている作品のひとつだと思います。でもすばらしい作品です。私はすばらしい音楽であるのにそれに値する評価を得ていないようなものを取り上げるのが好きなのです。みんなが演奏するような作品ではなく、みなが演奏しない、偉大な作品を弾くのが好きなのです。そしてこれはまさに皆さんに是非聞いていただきたいすばらしい傑作なのです。

Q:ブロンフマンさんは、ロシア(ウズベキスタン)で生まれ、ロシア・ピアニズムの伝統を継承される一方、アメリカに住まれて長く、現在では国籍も獲得していらっしゃいます。私の個人的な印象では、ロシア的な音色や響きの作り方をお持ちの一方で、音楽性はアメリカ的にインターナショナルというか、非常に洗練されているように思われます。ご自身では、ロシアのオリジンと、その音楽的伝統を強く意識されていますか。あるいはブロンフマンさんは、すでに「アメリカのピアニスト」であると自己理解されていらっしゃいますか。
―――音楽において、私は自分自身をひとつの国に限定してみることは決してありません。敢えて言うならインターナショナルな音楽家、といったところでしょうか。音楽性における国籍、あるいは特定の音楽的な伝統や様式を自分が背負っているとは思いません。私ならではの私らしい伝統、スタイルといったものはあるかもしれませんが、それは特定の国や文化に縛られたものではありません。私は自分の目や耳でじかに音楽を経験し自分の中でそれらの昇華したいのです。ロシアの音楽はすばらしいですが、私はそれだけでは決して満足できません。そして過去の音楽だけでも満足できず、現代、今、この時代に生まれてくる音楽にも大変強い興味を持っています。実際のところ、多くの現代の作曲家が私のために作品を書いてくれています。本当に豊かな才能を持った作曲家が現代にも多くいます。そしてこのような今の時代の音楽に触れることは、過去の音楽に新たな発見をももたらし、より良い演奏へとつながるのです。現代音楽を経験することで、もっと良いベートーヴェンが弾けるようになったと思うのです。
実際に作曲家と一緒に仕事をし、彼らの思考回路を学ぶことで、目を開かれたような思いをすることが多々あります。彼らの音楽を見る目は作曲をする立場からの目であり、私たち演奏者のそれとは違うのです。そして私はそんなところに惹きつけられるのです。生きた作曲家との対話を通して、過去の作曲家と出会うのです。
だから私の好み、レパートリーはとても広いものとなり、制約を受けないことになるのです。自分で枠を作るようなことはしたくないし、枠の中で収まるようなことはないのです。
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Q:私個人の印象では、ブロンフマンさんの現在の中核となるレパートリーは、ロシアもの、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスとなっているように思います。一方、近年はエサ・ペッカ・サロネンの新作コンチェルトを初演されるなど、現代音楽の分野でも熱心な活動を行っていらっしゃいますが、実は私が聴きたいと思っているのは、シューベルトの後期ピアノ・ソナタです。現在芸術家として円熟期を迎えていらっしゃるブロンフマンさんが、技術的にはそれほど難しくないシューベルトのソナタで、どのような音楽を聴かせてくれるのか、とても関心があります。同時にベートーヴェンのソナタも、より総括的に聴いてみたいと思うのですが、これらの作品を取り上げてゆくことは近い将来ありますでしょうか。
―――私はレパートリー、あるいはプログラム作りをするときには、そこに意義が見出せるものでなくてはなりません。プログラムを見ていただいてもわかるようにそこにはしっかりとした関連性があります。ベルクとベートーヴェンとか、ドビュッシーとバルトークとか、有機的で関連性のある作品を組み合わせるのが好きなのです。
シューベルトのソナタは弾いていますし、声楽曲を含めて室内楽はかなり演奏してきました。でもシューベルトはとてもユニークで特別な存在なので、それなりに時間をかける必要があると考えています。忍耐強く待っていただけたら、と思います。歌曲ではシューマンの作品も大好きですね。
ベートーヴェンのソナタ全曲、あるいはベートーヴェンの作品だけで組み合わせてプログラムを作り、演奏したい、とは思いますが、具体的には申し上げられる状況ではありません。

Q:最後の質問です。ブロンフマンさんはフィリップ・ロス(Philip Roth)の小説「The human stain」に実名で登場し、そこで「ブロントザウルス」と呼ばれています。これは必ずしもお世辞とは言えない表現ですが、この作品を読まれましたか。そしてロスがそこで書いていることが当たっていると思われましたか?
―――ええ、私の友達がその小説を読んで教えてくれて、読みました。それを読んだ方がいたということも驚きですし、私が小説に取り上げられたことも大きな驚きでした。(笑い)

今日はお忙しい中、お時間をありがとうございました。
―――こちらこそありがとう。そして日本に伺うのを今から楽しみにしています。

ブロンフマン来日公演情報

posted by Japan Arts at 12:28| イェフィム・ブロンフマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月02日

ブロンフマン来日直前特集[1]

2008年読売新聞に掲載されました。
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ブロンフマン来日公演情報
posted by Japan Arts at 17:09| イェフィム・ブロンフマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月01日

技巧派から正統的巨匠へ――ルツェルン音楽祭におけるブロンフマン

城所 孝吉(音楽評論・ベルリン在住)

 今秋来日が予定されているイェフィム・ブロンフマンが、ルツェルン音楽祭でリサイタルを行った。彼は今年、同フェスティヴァルの「アーティスト・エトワール」に任命され、サロネン指揮フィルハーモニア管、メータ指揮ウィーン・フィルとの共演を含む計5回のコンサートに出演。リサイタル(9月13日)はそのフィナーレに当たるが、ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第13番」、シューマン「幻想曲」、プロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第2番」、チャイコフスキー《ドゥムカ》、バラキレフ《イスラメイ》というプログラムは、玄人好みの相当に凝ったものであった。後半がロシアものというのも、彼に典型的である。
SALONEN_BRONFMAN.jpg
 今回久しぶりに彼の演奏を聴いて思ったのは、ブロンフマンが実は「誤解されている」のではないかということであった。何しろ超絶技巧の持ち主なので、どんな難曲でもバリバリと弾くイメージがあり、この日にしてもピアノ史上最大の難曲とされる《イスラメイ》を、易々と弾きのけてしまう。それに加えて、失礼ながらスマートとは言えない、あの堂々たる体格。構成の上でも、派手な曲をラストに持ってくるため、聴き手は技巧とパワーに圧倒されて、家路につくことになる。ブロンフマンというと、多くの音楽ファンが「怪力ピアニスト」と認識しているに違いない。
 しかしこの日、筆者が最も感心・感動させられたのは、意外にもシューマンの「幻想曲」であった。ロシア仕込みの底光りするようなタッチは、ホール全体に豊かに反響し、ロマンティックな情感を飛翔させる。そして演奏はきめ細やかで、丹念に磨き上げられた印象を与えるのである。これは力業の正反対と言わなければならない。シューマンという繊細でファンタジーに富んだ作曲家にふさわしいスタイルであり、何よりも説得力に溢れていた。第2楽章では、シューマン独特の高揚感を鮮やかに弾奏するので、曲間で拍手が起こるというハプニングもあったが、終楽章では安堵と憧憬に満ちた、心に染み入る調子が会場を包み込んだ。休憩中エレベーターに乗り合わせた老夫妻が、「ダス・ヴァー・ゼア・シェーン!(素晴らしかった!)」と語り合っていたのが、演奏の質を象徴していた。
 ここで聴かれるシューマン、そして(同様に丁寧に弾き込まれた)ベートーヴェンは、例えばアンドラーシュ・シフが聴かせるような「土着のドイツ的演奏」ではない。むしろロシアからイスラエルに、イスラエルからアメリカに移民したユダヤ人の「国際的な」スタイルが聴き取れる。ヨーロッパに住むロシア人の演奏とも異なり、スラヴにニューヨーク的洗練が混ざり込んでいるが、それゆえに日本人にはいまひとつイメージが湧きにくかった、と考えられるかもしれない。しかしこれほど上質で、完成されたピアノを聞かせてくれるピアニストは、今日では本当に稀なのである。オールド・ロシアン・スクールが、アメリカ的スタイリッシュさを獲得した世界――。その際間違いなく言えるのは、今のブロンフマンが、テクニックを越えたところで真価が表れるピアニストになってきている、ということである。我々は、技巧派としての彼への認識を、そろそろ改めるべきなのではないだろうか。


≪11/28(土)14:00〜サントリーホール来日ピアノリサイタル情報≫

曲目:
ベートーヴェン:創作主題による32の変奏曲 ハ短調 Op.26
シューマン:ウィーンの謝肉祭の道化 Op.26
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第2番 ニ短調 Op.14
チャイコフスキー:グランド・ソナタ ト長調 Op.37
flyer_bronfman.jpg
チケット:ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5237-7711
posted by Japan Arts at 15:04| イェフィム・ブロンフマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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