上原彩子さんとの共演やプログラムについて、川久保賜紀さんにインタビュー。
― 上原さんと初めての共演ですが、どのような思いでしょうか。
昔から凄い方だなと思ってましたので、ずっと共演したいと考えていました。
コンクール以降、会う度に「何かしたいね。」と話していたのでようやく実現したという感じです。10年越しで願いが叶いましたね。
同年代のアーティストとのデュオも今まであまりなかったので本当に楽しみです。
― 川久保さんは上原さんとどのように音楽を作っていきたいと思っているのでしょうか。
そうですね、始めてのリハーサルで決まると思っています!リハーサルを重ねながら彼女と音楽を作っていけたらいいですね。ですから、まだこれからでなんです!
今までじっくりと一緒に音楽を作るということがなかったので、楽しみにしています。
― 上原さんはどんな方ですか?
とっても小柄で可愛らしい方なのですが、芯が強い方なんだろうなぁ…。音楽も情熱的ですし、内には炎のようなものを秘めている方だと思います。
― 2011年に発売されたライブ版CDにもプロコフィエフ、5つのメロディとヴァイオリン・ソナタが収録されていますね。今回のプログラムにも入っていますが、川久保さんにとってどのような曲なのでしょうか。
昔からプロコフィエフが好きでした。ロシア音楽というのもあるのですが、でもショスタコーヴィチよりプロコフィエフの方が弾いてます。
ちょっと切なかったりふざけている部分があったり、人間のいろいろな感情がとてもよく表現されているところに魅力を感じています。
ヴァイオリン・ソナタはもともとはフルート・ソナタとして作られた曲なので、フルートで演奏される時とヴァイオリンで弾いた時と違った印象があって面白いですね。テンポの取り方とか、私はなるべくフルートの演奏に近づけるように弾いています。
どちらともたくさん勉強もしましたし、レコーディングもしているので、ぜひそれを日本の方々に聴いてほしいと強く思っていました。
そうそう、プロコフィエフは昔「ピーターと狼」がとても好きだったんです。きっとその影響もあるかもしれませんね。
―それぞれの曲の聴きどころを教えてください。
プロコフィエフの“5つのメロディ”は、どちらかというと渋めの選曲になってしまったのですが、1曲1曲がとても短くいろいろな色と面白さを聴いて頂ける曲だと思います。
そしてシュトラウスはガラっと変わって、とてもロマンティックな曲です!
―以前、清水和音さんとこちらの曲で共演されてましたね。
清水さんと共演した時、この曲を初めて演奏したんです。ですから、今回はもっと細部までじっくりと弾きこんでいけたらと思ってます。
このソナタは特にピアノがとても大胆。2人で大胆に弾いていきたいですね(笑)
―今後挑戦したい曲はありますか?
ベートーヴェンですね。ソナタの6番、8番、10番をまだ弾いてないので挑戦したいです。現代曲ですと、ヴィアークとか弾いてみたいです。
―お二人の共演を楽しみにしています。ありがとうございました。
上原彩子&川久保賜紀デュオ・リサイタル
10年の時を熟して奏でる友情のハーモニー
2012年6月26日(火) 19時開演 サントリーホール
プロコフィエフ:5つのメロディ Op.35bis
R.シュトラウス:ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18
プロコフィエフ:バレエ「シンデレラ」からの3つの小品 Op.95 (ピアノ・ソロ)
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.94
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