2010年02月25日

Happy Birthday, Chopin! −ツィメルマンの内なる思い

クリスチャン・ツィメルマンがヨーロッパで「ショパン・プログラム」のリサイタル・ツアー中です。ショパンの誕生日とされる2/22には、ロンドンでリサイタルを行い大成功!
来日を前に、ショパンに対する深い思いを語ってくれました。

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 世界中がショパンの生誕200年を祝うなか、クリスチャン・ツィメルマンはヨーロッパを旅している。細心の調整を施した彼自身のピアノとともに、2010年の年明けから、まずはスペイン、フランス、イタリアの各地でリサイタルを行った。
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 先の2月22日、ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのリサイタルの成功も伝わってきたばかり。この日はショパンの出生証明書に記された日付でもあり、ツィメルマンの思いもとくに深いコンサートだったろう。プログラムはもちろん、オール・ショパン。ノクターン嬰ヘ長調Op.15-2、ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35、スケルツォ第2番変ロ短調Op.31、そしてピアノ・ソナタ第3番ロ短調Op.58、舟歌嬰へ長調Op.60という曲目を眺めだけで、日本での公演が待ち遠しくなる方も多いのではないだろうか。ちなみに、この日はアンコールとして、ワルツ 嬰ハ長調 Op.64-2が演奏されたときく。
 次の公演としては、ショパン自身が誕生日と思い、家族や友人たちもお祝いしていた3月1日に、パリのサル・プレイエルでのリサイタルが控えている。ショパンが亡命し、活躍したここパリでのコンサートを、ツィメルマンはあえて選んだのだろう。その後ドイツ、オランダ、スイス、フランス、オーストリアなどを旅した後、ショパンへの思いとともに海をわたり、5月から6月にかけて日本各地でのツアーが予定されている。
 「今回はオール・ショパン・プログラムを組みますが、この後しばらくショパンを弾くのをお休みしようと思っています。日本の聴衆の方々に、私の弾く第2番と第3番のソナタをお聴きいただけるのは、数あるうちの最後の一回になるかも知れない。もういちど、日本でこれらの作品を弾くことになるのかどうかは、まだわかりません」。昨年11月の来日の折に、ツィメルマンはたんたんとそう語っていた。ショパンの作品のなかでももっとも素晴らしい、と考える2曲のソナタを併せて演奏する機会を、ピアニストはそれだけ慎重に吟味してきたのだろう。
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 「私は生まれたその瞬間から、ショパンの音楽とともに歩んできたのです。その後、音楽を本格的に学ぶようになってからは、自分からもショパンとの関わりをもつようになりました。今回のレパートリーで言えば、変ロ短調とロ短調の2つのソナタは、35年にもわたって私の人生を伴奏してきてくれた作品です。私が感情的に激しく揺れ動いた時期に、かならずそこにいて、スポンジのように私の感情を吸いとってくれた曲なのです。その意味で、私の解釈はとても個人的なステイトメントなのだと思います」。
 そう語りながら、ポーランド出身のツィメルマンは、模範的なショパン演奏をするピアニストとみなされることに抗っている。おそらく、1975年のショパン国際ピアノ・コンクールに優勝したときから、現地の英雄はずっとそうした評価とたたかってきたに違いない。
 「もちろん、個人的な見解ではあっても、やはり音楽的な見地から許された範囲内での、というところは強調しておきます。歴史のある時期に許されていた境界線を超えるつもりはありません。私は、当時音楽というのはどのようなものであったか、ということをなるべく追求していきたいと思っているのです。今日の音楽は非常に商業化されて、ビジネスの一環となっていると言えますが、当時の音楽というのはなにかを表現するための必要不可欠な手段だった。そのような気持ちで私はショパンを演奏したいと思っています」。
 クリスチャン・ツィメルマンはそうして密かな覚悟を語っているように思えた。しかし、ユーモアに溢れる彼は、こう言い添えることも忘れない。「生誕200年と言いますが、ショパンは実際、若者の作曲家だったわけですしね。39歳で亡くなったということで間違いがなければ(笑)、現在の私よりもずっと若かったわけですよ」。

文・青澤隆明


zimerman_flyer.jpg≪クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル≫
2010年6月3日(木) 19時開演 サントリーホール
2010年6月5日(土) 18時開演 サントリーホール
2010年6月10日(木) 19時開演 サントリーホール
曲目:
【オール・ショパン・プログラム】
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品35
ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58
●全曲目は追って発表致します。
※この他の曲目につきましては、東京3公演は異なるプログラムになる予定です。

<チケットの購入>
WEB:こちらから
TEL:ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5237-7711
詳しい公演情報はこちらから



posted by Japan Arts at 15:43| クリスチャン・ツィメルマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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