2010年02月16日

アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団 連載(3)「アンスネスのインタビュー」

アーノンクール指揮ウィーン・フィルとのザルツブルク公演を成功裡に終え、3月のノルウェー室内管との来日公演がますます楽しみになってきました。
現地取材をした青澤隆明さんによるインタビューの中で、日本で演奏予定でもあり、ザルツブルクでも喝采されたモーツァルトのピアノ協奏曲23番を含め、アンスネスがモーツァルトの音楽について語ってくれました。

モーツァルトの誕生日をまえに、アンスネスがザルツブルクで語ったこと
〜アーノンクールとモーツァルト
 「モーツァルはどこにいるかって? ここはザルツブルクだから、いたるところにいるような気がする。このカフェはザルツブルクでいちばん古いから、もしかしたらモーツァルトがそこの席に座って、なにか書いていたかも知れないよ」。
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 1705年創立のカフェ・トマセッリの席に着いて、レイフ・オヴェ・アンスネスが愉快そうに言う。明日は2010年1月27日、モーツァルトの254歳の誕生日だ。ザルツブルクのモーツァルト週間も半ば、アンスネスは祝祭大劇場で、アーノンクール指揮ウィーン・フィルとのピアノ協奏曲イ長調K.488の共演を明晩に控えていた。
「バッハとモーツァルトはいつもそこにいて、僕にとっては友人みたいな存在だ。モーツァルトはとても人間的で、感情も豊かなのに、深い悲しみを表現しても、決して自己憐憫に陥ることはない。とても高いところにいる」。
 アーノンクール、そしてウィーン・フィルとの共演は、アンスネスにとって2006年についで2度目となる。前回も舞台はこのザルツブルクで、モーツァルトの変ホ長調K449とハイドンのト長調の協奏曲を演奏した。
「最初の共演のときは、アーノンクールからいたるところに指示を書きこんだスコアが送られてきた。コンサートの五ヶ月も前にだよ! 彼もいろいろとディスカッションしたかったのだと思うな。アーノンクールは驚くべき想像力の持ち主で、つきせぬアイディアに溢れている。オペラなどの舞台作品も多く手がけていて、ピアノ協奏曲とも多くの関連を見出している。シアトリカルなアプローチをとるなかに、つねに驚きの要素をもつことを求めるから、アーノンクールとの共演はじつに新鮮だ。とにかく学ぶべきことは多いよ。アーノンクールから影響を受けられることを幸せに思う。そして、僕は自分の道を見出そうとしている、ナチュラルに感じられる音楽をすることを。そのうえで、驚きに充ち、論理的に筋の通った演奏をすることは可能なはずだからね」。
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 では、モーツァルトを演奏するときに、アンスネスは作曲家の存在をどのあたりに感じているのだろう?
「いいかい? モーツァルトはいつも人々と繋がっていた作曲家だ。彼の音楽は人々に、そしてみんなの話すことに繋がっている。それが、モーツァルトを偉大なオペラ作曲家にしている。まさに劇場のようにね。ピアノ協奏曲の多くでも、ピアノ独奏の素晴らしさだけでなく、木管楽器をはじめ各パートとの対話なども生き生きとして、オペラ的な世界が展開する。すぐれたピアニストだったモーツァルトにとっても、ピアノを中心とするこの世界はとてもナチュラルなものだったと思う。まさにハイライトといっていい。モーツァルトは社会的で、人間に関心があり、高いところにいるけれど、人生を愛している。カフェやギャンブルや女性に興味をもっていたように。 だから、僕はモーツァルトを舞台上
でも人間として感じている。そして他の演奏家との対話を心から楽しんでいるよ」。

取材・文・写真 青澤隆明


≪公演情報≫
『アンスネス&ノルウェー室内管弦楽団』
2010年3月21日(日) 14時開演 東京オペラシティ コンサートホール
曲目:
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」
グリーグ:ホルベルグ組曲 (ホルベアの時代より)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491
詳しい公演情報はこちらから



posted by Japan Arts at 15:41| レイフ・オヴェ・アンスネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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